技術建設

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リハビリテーション技術部は法人全体で、総勢130名を越え業務範囲も拡大しています。
それに伴い2007年度以降、たたらリハセンター技術建設と称し、「新人教育」「中堅教育」「学術活動」の3つを中心に取り組んでいます。各スタッフがもつ課題達成の支援のために、法人全体で充実した教育システムを展開しています。
また、外部講師による院内研修会を、年間3~4回開催しております。

技術建設の視点


臨床 患者個々人の臨床像を多角的に捉え、各病態・時期別に応じて最適なリハビリテーションを提供していきます。
教育 新人教育プログラムによる総合的力量をもった人材育成と、より専門的な力量向上を目的とした各種専門技術研修会の計画的な開催と、院外技術講習会への積極的な参加を推進してきます。
学術 リハビリテーションの知識・技術発展のため、絶えず疑問や課題を持ち、その解決に向けた道筋を表現出来る様に、まずは研究の基本を構築していきます。また、院外開催される研修会講師・アシスタント活動も推奨していきます。

1)臨床
Bobath、PNF、DTMR、SJFなどの各種技術講習会受講や、呼吸療法認定士・心臓リハビリテーション指導士・糖尿病療養指導士・介護支援専門員・健康運動実践指導者などの有資格者の輩出を促進していきます。

2)教育
基礎研修(新人教育プログラム)
急性期・回復期・生活期の経験を通して福岡医療団として総合的な人材を育成しています。病院職員として必要な姿勢や基本的態度、また、リハビリテーションセンタースタッフとして習得するべき知識・技術の具体的目標を提示し、3年間を目標達成の期間としています。 具体的実施内容としては、①千鳥・たたら間スーパーローテート方式およびチーム別専門教育 ②OJT(ON THE JOB TRAINING)形式による臨床指導 ③OFF THE JOB TRAINING形式による講義・実技演習を実践しています。

千鳥・たたら間スーバーローテート方式およびチーム別専門教育
急性期~維持期の各分野を一通り経験(約3年で千鳥橋病院・たたらリハビリテーションをローテーション)し、全ての病期を経験する事で、前後のつながりや各病期に行うリハの意義の理解を深める
例) 前期基礎研修(在宅支援プログラム) 1.0カ年 たたらリハ病院
↓ローテーション
後期基礎研修(急性期プログラム) 2.0カ年 千鳥橋病院

OJT(on the job training)
入職後は、基本的に臨床経験3年目以上のバイザーとペアを組み、日常診療・業務全てにおいて指導を受けてもらいます。
院内での症例報告会(新人職員は年2回発表、2年目職員は年1回発表)も行っています。
off-JT(off the job training)
臨床経験4年目以上のスタッフ・職責者によるテキスト講義、実技講習
新入職員オリエンテーション
業務基準・診療報酬
新人教育プログラムについて
電話対応
感染対策
接遇について
動作分析
インシデント(講義)
KYT(ワークショップ)
NSTについて
褥瘡
福祉用具
車椅子・ポジショニング
介護保険
装具について

自己啓発支援
論文・医療情勢関運書誌・ビジネス書の多読 役職者による定期的育成面接
中堅・管理者研修
この間の新卒者受け入れ増に伴い、新人教育プログラムが基礎研修として位置づけられ整備されてきています。一方、新入職員を指導する中堅職員の研修や各専門分野における指導者集団の育成、情勢変化や構成員の増加に対応した組織づくりとそれを担う管理者育成を、今後の課題として取り組んでいます。

3)学術
両院所、発表演題数の年間目標設定をし、今後も計画的に全国区の学会(日本理学療法学術大会・日本作業療法学会、全国回復期リハ連絡協議会研究大会、全国訪問リハビリテーション研究大会等)で発表経験を積み重ねて行き、リハビリテーションの効果検証に努めます。また、臨床に根ざした学術研究活動に積極的に取り組んでいきます。
またbobath、PNF、DTMR等の外部講師・アシスタント活動にも積極的に取り組んでいきます。

疾患別リハビリテーション


A)脳血管リハビリテーション
【臨床】
脳卒中をはじめとした脳血管疾患・神経疾患の患者に対し、超急性期~回復期~生活期まで幅広く個別性をもった治療実践を展開しています。急性期では、発症当日よりベッドサイドやICUからの早期リハビリテーションを提供し、回復期~生活期では、退院後の生活を視野に入れた目標指向的アプローチを行い、患者のADLの改善を図り在宅復帰への移行を進めていきます。

【教育】
脳生理やリスク管理、Human movement、院外研修の伝達講習などの院内勉強会を通して、治療技術の向上に努めていきます。また、積極的に外部研修会に参加し、外部講師を招いた研修会を開催することによりボバース概念をテクニカルスタンダードとし、PNFや他の手技なども幅広く取り入れた治療技術の研鑽に取り組んでいきます。

【学術】
諸団体や研究・研修機関における学会発表(症例発表)、当法人主催の研修会・外部研修会での講師及びアシスタント活動を積極的に推奨していきます。

B)運動器リハビリテーション
【臨床】
急性期では脊椎圧迫骨折・大腿骨頸部骨折などの下肢骨折・上肢骨折や変形性膝関節症、肩関節周囲炎、四肢の切断に対して受傷早期からのリハビリテーションを提供しています。また、ア地域包括ケ病棟・療養病棟では在宅復帰を目標としたADLへのアプローチを行い、在宅サービスへの移行も進めていきます。

【教育】
スタッフ教育として、基礎である解剖や疾患別のリスク管理、触察勉強会、評価としては動作分析を中心とした勉強会等実施しています。また、院外研修会の参加にも取り組み、他施設との情報交換も行っています。継続して様々な治療手技(SJF、DTMR、徒手療法等)の受講者を拡大し知識・技術の共有を図ります。

【学術】
臨床での疑問を研究テーマとしデータ収集を行い、学会発表を目指しています。また、院外活動としては様々な研修会のアシスタントでの参加も行っていきます。

C)呼吸器リハビリテーション
【臨床】
COPD、肺炎、間質性肺炎等の患者に対し、多職種で連携をとりながら包括的呼吸リハビリテーションを提供しています。急性期ではICUでのウィーニング、発症直後からベッドサイドでの排痰等、より早期からの介入を行っていきます。 地域包括ケア病棟・療養病棟では、在宅生活を見据え、退院後の活動レベルに合わせた運動処方、呼吸困難感が軽減できるようなADL動作指導を行っています。また、HOT導入時の指導など多岐にわたった介入を実施していきます。

【教育】
チーム内勉強会、院所間の合同勉強会、院内連携にむけた多職種との合同勉強会、病棟スタッフ向けの勉強会などを開催しています。また、積極的な外部研修会参加や外部講師による院内研修会を開催することで知識・技術の研鑽に努めていきます。

【研究】
医師・MSW・セラピストなど多職種合同研究にて急性期における呼吸介助の有用性や在宅の呼吸器疾患患者の実態調査を行い学会で発表していきます。

D)循環器リハビリテーション
【臨床】
主に急性心筋梗塞や狭心症、心不全増悪、閉塞性動脈硬化症の方を対象にリハビリテーションを提供しています。急性期ではICUやベッド上にて個別リハビリ、回復期~生活期では入院や外来でも集団リハビリが可能な体制を整えています。今後もさらに外来(退院後)でのリハビリ提供の充実化は図り、バスハイクを継続しQOL向上に取り組んでいきます。心リハ指導士は現在4名在籍しており、今後も指導士育成に取り組んでいきます。

【教育】
チーム内ではリスク管理や各病態に合わせたリハビリなど毎週勉強会を行っています。また、福岡心リハ研究会(年3回)世話人担当や発表を行い、福岡市内における他施設との連携を取りながら知識技術の向上に取り組み、今後も継続していきます。

【学術】
重症心不全患者さまの症例発表や外来リハビリの取り組みなど発表を行っています。さらに、循環器内科医とリハスタッフが協同して研究にも取り組んでいきます。

E)がんリハビリテーション
【臨床】
周術期では術後翌日から早期離床を行ない、廃用症候群を予防し早期の自宅退院を目指しています。 生活期・終末期では希望に合わせ、最後までその人らしさをもって生活が送れるように関わっています。また、がん治療や終末期に出現する浮腫に対して、外部研修会で修了認定を受けたスタッフを中心に積極的な治療展開を行っていきます。

【教育】
がん特有の症状やリスク管理、精神的苦痛に対しがんリハビリテーション講習会の修了者を中心に臨床指導を行い、福岡医療団内の連携を強化し知識・技術水準向上を含めた人材育成にも取り組んでいきます。2012年度からはがん緩和ケアを中心としたチーム活動を開始し、緩和ケア病棟の充実化、がん患者に特化した訪問リハビリの開始、入院・外来における浮腫治療を開始する予定です。

【学術】
がんリハの効果について研究を行い、学会発表や講演、アシスタント活動を通した学術活動にも力を入れていきます。

F)認知症ケア・リハビリテーション
【臨床】
MMSE-Jやその他の評価バッテリーを用いて認知機能を定量的に評価していきます。また、認知面へのアプローチとして記憶の保持等の思考課題を取り入れたリハビリテーションの提供や、病棟との連携してケアの充実を図っていきます。徐々に進行する認知症患者を持つ家族に対して、精神的フォローや対応策の提案も行っていきます。

【教育】
各病院における認知症ケア委員会主催の認知症サポーター運動の推進やパーソンセンタードケアの学習会に参加するとともに、認知症の病態をより理解するための学習や評価表の整理にも力を入れています。認知症関連の勉強会への参加の推奨、認知症ケア専門士や認知症ライフパートナー検定など認知症関連資格取得にも取り組むとともに、リハスタッフ全体として認知症に対する理解や介入の取り組みを発展させていきます。

【学術】
今後、当院での活動・取り組みや事例報告を学会や研究会で発表・アピールしていけるような視点も持っていきたいと思います。

G)高次脳機能障害リハビリテーション
【臨床】
種々の評価バッテリーを用いて定量的に高次脳機能障害の評価を実施しています。高次脳機能障害に対する基礎知識の共有と臨床像の理解を促し、急性期から高次脳機能の評価・介入を行い障害患者・家族への理解を促しています。入院・在宅では細やかなフォローができる体制作り(在宅部門へのST配置など)、患者の社会生活の拡大に向け失語症友の会への参加促進に取り組んでいきます。

【教育】
高次脳チームでの学習会や福岡作業療法高次脳機能障害研究会、高次脳学会の参加を推進し、知識・技術の向上に取り組みます。

【学術】
『福岡作業療法高次脳機能障害研究会』へ参加し、事例検討を通して治療介入や障害像の理解を深めています。また症例提示も含め積極的に参加していきます。

H)摂食嚥下リハビリテーション
【臨床】
近年、高齢者医療、介護の分野での嚥下障害の課題は重要であり、入院中だけでなく、在宅復帰後の生活でも重要視されています。早期から関わり、嚥下能力に合わせた食事の設定、栄養のとりかたを多職種とも連携しながら検討することで疾病の改善、合併症予防をはじめ、患者のQOL向上に貢献することを目指していきます。また、訪問リハビリの開始にあたり在宅でも嚥下障害の進行の早期発見・予防、誤嚥性肺炎発症リスクの軽減などに取り組んでいきます。

【教育】
院内・院外の研修会参加、多職種やNST委員会との関わり等を通して、嚥下障害の理解を深め、介入法を発展・強化させていき、より正確な評価・リハビリテーションが行えるように技術向上に努めていきます。スタッフ・患者に対しての学習会にも力を入れて、再発の頻度も高い誤嚥性肺炎を予防するために取り組んでいきます。

【学術】
近年、摂食嚥下研究において、食事形態の5段階分類起案や摂食前の口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防率向上が挙げられています。臨床を深めることで疑問や課題から研究テーマをみいだしていきます。福岡摂食嚥下カンファレンス等の参加、発表等で外部での経験を重ねていきます。

在宅リハビリテーション


【臨床】
地域の高齢者のニーズに対応できる在宅サービスを提供できるよう、両病院・各診療所・各訪問看護ステーションからの訪問リハビリや通所リハビリ(短時間リハビリも含め)等のリハビリサービスの充実を図っています。また、幅広い職域の中で、他職種と密に連携をとりながら、生活期における個別性を考慮した介入を行っています。

【教育】
入院部門と在宅部門とのスタッフ間ローテーションを計画的に進め、急性期~在宅までトータルに関われる人材育成を行っています。また、関連学会や研修会への参加・発表を推進していくとともに訪問リハビリ管理者育成や介護支援専門員等の資格取得も整備していきます。 

【学術】
生活期における高齢者を中心に、アンケート調査や実態調査、またサービスの内容に関わる調査や効果等について積極的に研鑽していきます。

予防的リハビリテーション


【臨床】
在宅部門が中心となり地域の特定高齢者・要介護者予備軍の方々に対し身体機能や生活機能を評価し、その地域で健康で安全な生活が送れるよう支援をしていきます。通所リハビリでの土曜プログラムを継続し、要支援者を対象として買物や外出訓練、趣味活動など通して心身の機能維持・向上を図り、並行して定期的な体力測定も行っていきます。また地域での班会や健康講座、健康まつりに参加し、地域の高齢者へ健康づくりのアドバイスも継続していきます。

【教育】
今後はセラピストが予防対象者に的確な運動指導や生活へのアドバイスが出来るための資格(糖尿病療養指導士、健康運動実践指導者、ポールスターピラティス等)を多角的な視点で選択し習得していき、スタッフへ伝達していきます。

【学術】
体力測定やアンケート調査などの結果を基にリハプログラムの効果を検証していき、院内外での勉強会・学会での発表に繋げていきます。

まとめ


福岡医療団リハビリテーションセンターとして、総合的力量をもった人材育成と専門的技術建設を継続して実践し、患者・利用者の臨床像を多角的に捉える視点を身につけ、各病態・病期別に応じたリハビリテーションを実践していきます。